9月展示速報|辻野剛&fresco  硝子茶碗・花器創作個展「そよの海を見つめて」

9月展示速報|辻野剛&fresco 硝子茶碗・花器創作個展「そよの海を見つめて」

Tsujino Takeshi & fresco Glassware Solo Exhibition “ Comtempler la mer



「人間がつい海を見つめてしまうには理由があります。
鏡よりも海は 私たちが誰であるか
を反映してくれると言われています。」
—『創造力の修行 / The Creative Act: A Way of Being』より

港町で陽射しに恵まれた街に位置する泊・月白moonmistにて、 初秋の残暑の中、今月は日本を代表するガラスアーティストの辻野剛先生と彼の新作を迎えます。

辻野剛氏は長年アメリカに滞在し、西洋のガラスデザインの実務背景と日本での工芸教育経験を融合させ、熟練した吹き技術を基に、彼の独特な世界観を硝子作品に表し、多様なシリーズやブランドラインを発表してきました。


海に惹かれ、インスピレーションを受けて「abyss」(日本語で「深淵」を意味する)とのシリーズを創作し、「海底から見つけた物」のイメージを表現しているとのこと。

ガラスは長い年月を経て、その表面に「銀化」という化学反応が進行します。辻野剛氏は独特な手法で、海底で眠っていた古代のローマガラスを想起させる、ラピスラズリやターコイズのような色のグラデーションを呈し、現代ガラス製品の透明感とは異なり、一見陶器を思わせる深みのある有機的な質感を持たせています。


彼の国境を越えた独自のスタイルに、光と硝子の間のインタラクションを通し、禅の美学感性がが感じ取れます。
今回の展示では、「abyss」シリーズで知られる花器作品に加え、台湾で初公開の茶碗作品もご紹介します。日本国内でもまだ披露されていない新作が、泊・月白での現代茶道美意識と出会い、新たな茶風景が生まれるのをどうぞお楽しみに。
*一部frescoの食器シリーズもご紹介します。



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About Artist_
辻野剛 Tsujino Takeshi

1964 大阪府生まれ
1986~ 専門学校でインダストリアルデザインとガラス工芸を学び、その後渡米。
1997 C,G,C,A(ニュージャージー州)アーティスト イン レジデンス
2001  ガラス工房「fresco」設立。
以降、各地美術大学、専門学校での指導、レクチャーなど多数務める。
2005~2014 frescoブランドを創設。クラフトプロダクツの展開を始める。
またプロダクトデザイナーを工房へ招聘しワークショップを企画、運営する。
2008~2018 堺クラフトフェア「灯しびとの集い」設立メンバーとなり、実行委員会長を務める。
2022 frescoを法人化、fresco株式会社となる。
同年、frescoブランチスタジオ「CAVO」を和歌山県に設立。

近年展覧会
2024 Fresco與辻野剛的工作展_東京.theconranshop.daikanyama
Fresco +瑞 exhibition_福岡.physis
Fresco巡迴展_東京.Roundabout&OUTBOIND

HP:https://www.studio-fresco.com
IG :@takeshi_tsujino @studio_fresco

 

✿作家のご挨拶✿

私は2022年に、かつて夢と描いたガラス工房を和歌山県の海の側に開設しました。
海に憧れ、その広さ、深さ、そして表情の多様性に魅了さてながら日々制作をしています。
ガラス物質は経年の変化が起こり難い素材ですが、実際には環境によっては微細な変化が起こります。
ガラスを深い海に沈め、長い長い時間を波濤に揉まれた様子をイメージした姿がabyssシリーズの作品のテーマとなっています。 ガラスも大きな自然に飲み込まれることで天然へ回帰します。これは例外なく森羅万象に当てはまります。物を作りつつも物質の儚さを学ぶ日々を送っています。
この度展覧会を開催していただく泊・月白さまも海に近く、日本の自分の工房とは繋がった場所。 不思議なご縁を感じています。
拙作をご高覧いただく皆様にはガラス作品の新しく古い煌めきを感じていただけると幸いです。

よろしくお願いします。


【 会期中イベント】

《オープンニング茶事・作家在廊 》

日本の茶道において、お濃茶は上賓をもてなすための究極の礼であり、 ゲストは懐石料理とお酒を楽しんだ後、濃茶の茶事で主人とゲストの絆を深め、 最後にさっぱりとした口当たりの薄茶でリラックスした雰囲気を愉しみます。

この度のオープンニング茶事では、泊・月白の亭主、KaiTingが辻野剛氏の新作ガラス茶碗を用いて、 お濃茶を練り、その後、お茶カクテルの爽やかな味わいを楽しんで頂きます。 また、展示のテーマにインスパイアされた和菓子もお召し上がり。
辻野先生も特別に台湾を訪れ、皆様との交流を深める貴重な機会です。

-日程:9/13 (金) 15:00-19:00 自由入場
-茶事を楽しむ方はお一人様NT800の入席代を頂戴いたします。
ご予約不要で、席の空く次第案内させて頂きます。

《展示一般オープン》
9/14 から展期終了まではご自由入場

 

【空間營業のお知らせ】

❍9/11.12 (水、木) 展示設営作業で営業なし。
❍9/13(金)通常の茶席サービスは休みとなり、9/14以降のご予約が可能。


日程|2024.09.13 Fri.- 10.13 Sun. (月・火定休)
時間|13:00 - 19:00
場所|泊・月白 moonmist atelier
高雄市鹽埕區大義街2-2號 駁二大義倉庫C8-12
Info|07-5216473・ info@moonmist.tw

Special thanks_
展示協力 Lusasa Studio

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註:圖文著作權屬泊‧月白與相關作者所有,未經授權不得任意擷取使用

Photograph print by Kiyoaki Sasahara /  笹原清明
Personal collection of Kai-Ting Lin, moonmist atelier.