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韓紙平面畫 Korean Paper Art】<近日公開>
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泊・月白は【現代の禅意とアジアの風土】をテーマに沿って、
2025年度のキュレーションおよびフレーバーデザインを展開します。
今年は、日本や中国美学の影響を受けた韓国美術と工芸の領域にも視野を広げます。
春の初め、再び訪れたソウルの旅によって、現地の人文的な気質への理解がいっそう深まりました。 台湾ではあまり目にすることのない「韓紙」や「ポジャギ」をはじめ、 茶席や食卓を彩る陶磁器や金工へと関心が広がりました。 神秘的な東アジアのヴェールの向こうにある、 しなやかで凛とした気質の中に潜む静かな繊細さを感じ取ります。
その体験をもとに、旅で得た記憶を茶の感覚を通して、 物、空間、風味へと昇華させていきます。 ❍ 茶とともに歩む・泊香茶席 ❍ では、 茶と香りが導きとなり、韓国の古典と現代工芸が交差する世界へ旅人を招きます。
茶とともに歩む日常は、アジアに共通する文化のひとつ。 自身の吸収と実践を通して、その共通点と差異の重なりを探りながら、 現代のデザイン思考が伝統美学の流れのなかで、 各地域の風俗や生活習慣にどのように寄り添い、 今の生活へどんな役割を果たしているのかを提案します。
古典 ♾️ 現代——
それらをつなぐひとつの軌跡として、 再び工芸と茶の悠久の脈絡へと回帰していきます。
第三章では、台湾や日本でも馴染み深い陶磁と金工の世界へと歩を進めます。
今回、陶作に携わって四十五年以上の韓国を代表するアーティスト、 Lee Chang-Soo(李昌洙)氏に特別制作を依頼し、 「月亭」の薪窯焼成茶器シリーズを発表します。
デザインの着想源は、韓国の伝統建築である「亭子」(정자 / ジョンジャ)── 人々が憩い、学びを深めた場所にあります。
薪窯で焼かれる過程で、木灰が自然に降り、 鉱石の結晶や淡雪のつもりを思わせる独特の表情が生まれます。 柔らかな青釉は、李氏独自の技法により調合され、 茶器の胴体は紙のように薄く、軽やかで、 陶芸技術への深い理解と繊細な感性が宿ります。
その作品群は英国をはじめ各国のギャラリーや美術館で展示されており、 茶道具にとどまらず、韓国白磁を象徴する 「Moon Jar(月壺)」シリーズとしても高く評価されています。
また、金属作家Park Jon-Gin(朴宗寅)氏による 「枝椏菓子切り」は、実際の茶樹の枝を原型とし、 純錫を用いて制作されたものです。 銀や銅に比べて酸化や変色が起こりにくく、無毒で安全。 枝の節のような自然の質感と、錫ならではの程よい重みが手に伝わります。 デザート用はもちろん、茶席中の「茶通し」としてもおすすめです。